【1月3日 AFP】エジプト政府は2日、盗難に遭った2700年近く前の古代エジプトの木棺のふたが、米国から返還されたと発表した。

 返還されたのは「緑のひつぎ」として知られる木棺のふた。アフメド・イッサ(Ahmed Issa)観光・考古相によると、このほかにも16点の遺物が返還された。

 ふたは縦3メートル、横90センチ。国営メディアによれば、カイロ南郊アブシール(Abusir)の遺跡から盗まれ、2008年に米国に密輸。13年からはヒューストン自然科学博物館(Houston Museum of Natural Science)に展示されていた。

 盗まれたのはふただけだった。木棺の本体は重さ約500キロで、古代エジプトの木棺としては最大級。

 エジプト考古最高評議会(Egyptian Supreme Council of Antiquities)のムスタファ・ワジリ(Mostafa al-Waziri)事務局長は、木棺はエジプト末期王朝時代の貴族のものだったと語った。木棺に彫られた顔が緑色だったことから、「緑のひつぎ」と呼ばれているという。(c)AFP