【12月23日 AFP】南米パラグアイの麻薬密売などを担当していたマルセロ・ペッシ(Marcelo Pecci)検事が5月に新婚旅行先のコロンビアで殺害された事件をめぐり、容疑者の一人が8000ドル(約100万円)で殺害を請け負ったと供述している。ベネズエラ当局が22日、明らかにした。

 ベネズエラのレミヒオ・セバジョス(Remigio Ceballos)内相は19日、首都カラカスで逮捕されたベネズエラ人ガブリエル・カルロス・ルイス・サリナス・メンドーサ(Gabriel Carlos Luis Salinas Mendoza)容疑者が、殺害の様子を自供する様子を撮影したとされる動画を記者らに提供した。

 2人の実行犯のうちの1人とされるサリナス容疑者はその中で、「レンタルした水上バイクで(コロンビアの)バル(Baru)島のビーチに行き、実行した」と話している。犯行後、「8000ドルを受け取り、ベネズエラに向かった」と言う。

 ペッシ氏は今年5月、妻でジャーナリストのクラウディア・アギレラ(Claudia Aguilera)さんとカリブ海(Caribbean Sea)に面した風光明媚(めいび)なビーチでくつろいでいたところを2発撃たれて死亡した。

 2人は4月30日にバル島に近いコロンビア北部カルタヘナ(Cartagena)で結婚したばかりだった。アギレラさんは妊娠中だった。

 アギレラさんは、海から男2人が小型船または水上バイクで現れ、無言でペッシ氏を2発撃って逃走したと証言していた。

 サリナス容疑者はこの水上バイクを操縦していたとされる。

 同容疑者は動画の中で、「エル・モニン(El Monin)」の名で知られる「フランシスコ・コレア(Francisco Correa)」という男に殺害を依頼されたと話している。

 セバジョス内相によると、ベネズエラでは容疑者の他国への引き渡しが認められていないため、サリナス容疑者は国内で裁判に掛けられる。

 事件の首謀者はまだ特定されていない。米国は、首謀者に関する情報提供者に500万ドル(約6億6000万円)の懸賞金を出すとしている。

 事件当時45歳だったペッシ氏は組織犯罪、麻薬密売、資金洗浄、テロの資金調達などを担当していた。(c)AFP