【12月21日 AFP】フランスサッカー連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ(Noel Le Graet)会長は20日、W杯カタール大会(2022 World Cup)決勝で敗れた後、帰国したチームがファンに直接あいさつしたのは、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の介入があったからだと明かした。

 フランスは18日に行われたアルゼンチンとの決勝にPK戦の末に敗戦。ル・グラエ会長がAFPに明かしたところでは、選手は当初まっすぐ帰宅することを望んでいたという。

 会長は「失意と悲しみの大きさと、あれだけ強い感情がこもっていたことを考えれば、その選択は理解できたし、それを尊重するつもりだった」と話した上で、「状況が変わったのは(19日の)午前10時頃に大統領と話した後で、大統領は短時間の交流を望んでいた。私はチームとともに、それを自然に受け入れた」と続けた。

 発表が入り乱れる混乱の中で、最終的に選手は数分間だけ、コンコルド広場(Place de la Concorde)に面したオテル・ドゥ・クリヨン(Hotel de Crillon)のバルコニーに登場した。

 広場には約5万人が集まって手を振り、歓声を上げ、国歌を歌い、その多くは暗闇と寒さの中で4時間以上も待っていた。しかし、おおむねお祭りムードの中で、選手がほとんど見えないと文句を言う人もいた。

 選手は警官隊の列の奥に位置するバルコニーから堂々と手を振り、中にはファンの姿を見られてよかったと話す選手もいた。マルクス・テュラム(Marcus Thuram)は仏民放TF1に対し、「正直に言って、素晴らしかったし、心が温まった。これほど多くのフランス国民を誇らしく幸せな気持ちにできたのが分かって、最高にうれしかった」とコメントした。(c)AFP