【12月20日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は19日、ベラルーシを訪問してアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領と会談し、ロシアはベラルーシを併合することに「関心はない」と明言した。

 プーチン氏は、国防相と外相と共にベラルーシの首都ミンスクに到着。ルカシェンコ氏との会談後、記者からの質問に答える形で「ロシアは誰であれ併合することに関心はない」とし、ロシアがベラルーシを併合するとの見方は「悪意を持った者」が流すデマだと断じた。

 ベラルーシは、同盟関係にあるロシアからの安価な原油と融資に大きく頼っている。ロシアは長年にわたりベラルーシとの統合強化を目指してきたが、ルカシェンコ氏は完全統合を拒否してきた。

 ロシア軍は現在、10か月近くに及ぶウクライナ侵攻で苦戦を強いられており、プーチン氏が今回のベラルーシ訪問でルカシェンコ氏に対しウクライナに軍隊を派遣するよう圧力をかけるのではないかとの臆測も広がっていた。しかし、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は、こうした見方を「全く愚かで、根拠のない捏造(ねつぞう)だ」と一蹴した。

 ルカシェンコ氏はプーチン氏との会談で、「困難な時代だからこそ、政治的な決意を持って2国間の議題すべてにおいて結果を出すことに専念する必要がある」と述べ、「最近の主な問題は、防衛と安全保障だ」と指摘した。一方のプーチン氏もルカシェンコ氏に対し、両国の経済関係強化を望むと述べ、ベラルーシを「真の意味での同盟国」と称賛した。(c)AFP