【12月17日 AFP】インドの首都ニューデリーで2012年に起きた集団性的暴行事件から10年となる16日、事件で亡くなった女子学生を追悼する集会が同市内で開かれた。

 事件では12年12月16日、同市内を走るバスの車内で女子学生ジョティ・シン(Jyoti Singh)さんが集団レイプされた上で路上に放置され、2週間後に搬送先のシンガポールの病院で亡くなった。事件は国内外を震撼(しんかん)させ、女性への性暴力の問題が注目されるきっかけとなった。

 シンさんの母アシャ・デビ(Asha Devi)さんと父バドリナート・シン(Badrinath Singh)さんが率いた集会では、ろうそくを手にした活動家らがシンさんを追悼。他のレイプ事件で殺害された女性の家族のための正義を求めた。

 政府の犯罪統計によると、同国で2021年に報告された性的暴行事件は3万1677件で、1日当たり86件が発生した計算となる。一方、シンさんの事件が起きた12年の発生件数は2万4923件だった。デビさんは報道陣に対し「この10年間で何も変わっていない」と訴えた。(c)AFP