【12月13日 AFP】中国とインドの国境に位置するヒマラヤ(Himalaya)地域の係争地周辺で先週、両国軍による小競り合いがあったとされる問題で、中国軍は13日、インド側が「違法に」越境して国境警備部隊の活動を「妨害した」との見解を示した。
 
 インド筋は先に、同地域で9日に小競り合いが起き、双方に数人の軽傷者が出たと明らかにしていた。中印国境周辺では最近、米印の合同軍事演習が行われていた。

 9日の小競り合いは、2020年に中印の部隊が衝突し、インド兵20人、中国兵4人が死亡して以来、最も深刻な事態とみられる。

 これに関連して、中国人民解放軍(PLA)西部戦区の報道官は「(中国部隊は実効支配)線を違法に越えてきたインド兵に妨害された」と述べた。その上で「われわれの対応措置は職務規律にのっとった標準的で断固たるものであり、情勢を安定させた。現時点で双方は交戦状態にない」とした。

 さらに、「インド側に対して前線部隊を厳格に制御し、自制させ、国境の平和と平静を維持するために中国と協調するよう求める」と表明した。

 一方、インド筋の説明によると、実効支配線に近い地域に中国兵が侵入。インドのメディアは、消息筋の話として、人民解放軍兵士300人前後が絡んだ先週の小競り合いでは、中国側がより大きな人的被害を受けたと伝えている。(c)AFP