【12月13日 東方新報】中国メディア「中国青年報(China Youth Daily)」が1985年から2000年代に生まれた男女1532人にアンケートしたところ、「就寝前に一定時間、スマートフォンを見る」習慣がある人が84.1%に上った。同時に回答者の69.5%が「就寝前にスマホを見ると寝付きが悪い」と答えている。

 スマホを見る時間の内訳は「20分未満」が12.5%、「20分から1時間未満」が55.6%、「1時間から2時間未満」が24.6%、「2時間以上」が7.3%だった。

 湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)で働く29歳の郭暁迪(Guo Xiaodi)さんは毎晩、寝る前に2時間ほどスマホを見続けている。「最初は今日の仕事を振り返ってメモをつけ、その後は微信(ウィーチャット、WeChat)で友人とチャットをしたり、微博(ウェイボー、Weibo)で有名人のつぶやきを読んだり、小紅書(Red)できれいな写真や動画の投稿を見たり…。買い物サイトの淘宝(タオバオ、Taobao)で好きな商品がないか探していると、街ブラしている気分にもなります」。残業に追われ忙しい日々を過ごす郭さんにとって「寝る前の時間だけが、私が好きに使える時間」だが、「翌日、仕事に行ってもボーッとしていることも多い」と打ち明ける。

 大学院生の具静(Ju Jin)さんも就寝前の「スマホヘビーユーザー」だ。「ベッドに寝っ転がってスマホでオンラインゲームをしたり、ビリビリ動画(bilibili)で面白い投稿動画やネットドラマを見たり、あっという間に時間が過ぎてしまう」という。「いつも翌朝に後悔する。正直言って自分でコントロールできていない面があります。視力もかなり低下してしまった」と嘆く。

 今や「体の器官の一部」と化してしまったようなスマートフォンだが、就寝前にスマホを見ると脳が刺激を受けて興奮状態となり、すぐに寝付く状態にはならなくなる。「就寝前に8分間スマホを見るだけで、脳は1時間興奮状態が続く」という研究もある。睡眠時間が減るだけでなく、眠りの質も悪化する恐れがあるという。

 また、ベッドで横になりながらスマホを至近距離で見る姿勢も問題だ。眼の筋肉が緊張して視覚疲労を起こしやすく、視力が低下する上に左右の視力がずれることもある。

 同済大学(Tongji University)付属東方病院眼科の崔紅平(Cui Hongping)主任は「強い光を放つスマホを横になった姿勢で長時間見ることは、深刻な眼精疲労を起こし、緑内障などを引き起こす恐れがあります」と指摘。「就寝前は適度な明るさで紙の本を読んだり、リラックスできる音楽を聴いたりすることをお勧めする」と話す。

 日本でも「寝る前にもう1回スマホを見るか」と手に取り、気づいたら長時間、画面を眺めていたという人は少なくないだろう。今回のアンケートでも睡眠や日中の生活に悪影響があると感じながら就寝前にスマホを見る人が多い。スマホが手放せない「現代病」は国境を越えて広がっているようだ。(c)東方新報/AFPBB News