■変わる自然への視点

 米国のハリウッド(Hollywood)映画は初期の西部劇から現在まで、人と自然の関係を模索してきた。

 フランスで「100 Great Films for the Planet(地球のための素晴らしい映画100本)」と題した書籍を編さんしたベロニク・ルブリス(Veronique Le Bris)氏は「初期の西部劇では大地の征服が描かれていましたが、すぐに分かってきたのは自然を『飼いならす』のと破壊するのは違うということです」と言う。

 また核兵器に対する恐怖が、第2次世界大戦(World War II)後の変化に拍車を掛けたと付け加えた。

 環境保護をテーマにした映画は、1958年の『エヴァグレイズを渡る風(Wind Across the Everglades)』から2000年の『エリン・ブロコビッチ(Erin Brokovich)』、2008年の『ウォーリー(Wall-E)』、2021年の『ドント・ルック・アップ(Don't Look Up)』まで数多くある。

 しかし現在注目されている地球規模の気候変動は、おそらく誰もがある程度加担しているために映画制作者にとっては厄介だとルブリス氏は言う。その一方で、こう続けた。「でも、気候問題に関しては完璧な人間などいませんから」 (c)AFP/Eric RANDOLPH