■「しらふなら、衝突もない」

 飲酒による騒動や混乱といえば、昔から有名なのはイングランドサポーターだ。だが、イングランド代表を追ってさまざまな開催国を訪れているというケビン・フルチャーさんとケビン・ホールさんは、アルコールがなくても問題ないと語った。

「酒が入っていると、つい一線を越え、サポーター同士でぶつかるのかもしれません」と63歳のホールさん。「でも、しらふなら、衝突するようなことも少ないでしょう」

 今大会ではこれまでけんかを目にしたことはなく、「スタジアムから出てくる時は、サポーターが交ざり合っていますよ」と言う。

 英国のサッカー場における警察の警備・取り締まりの責任者を務めるマーク・ロバーツ(Mark Roberts)氏は、カタール大会でのイングランドサポーターとウェールズサポーターの振る舞いは「模範的」だとし、逮捕者も事件も今のところゼロだと指摘。両者の対戦は「熱狂的だが友好的」な雰囲気だったと評した。

「マナーの良さは飲酒規制がすべての理由ではないだろうが、ある程度は役に立っていると思う」とAFPの取材にコメントした。(c)AFP/Peter STEBBINGS