【11月30日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)でイランが政治的敵対関係にある米国に敗れた後、同国のクルド人居住区から祝福の花火が打ち上げられたとみられる映像がSNS上に投稿された。

 29日に行われたグループBの一戦では、米国が1-0で勝利し決勝トーナメントに駒を進めた一方、イランはグループステージ敗退が決まった。

 イランでは、クルド系女性のマフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)が服装規定違反の疑いで逮捕された3日後の9月16日に死亡した問題を受けてデモが発生。政府はこれを「暴動」と呼び、治安部隊を配置している。

 アミニさんの故郷サケズ(Saqez)や、西部クルディスタン(Kurdistan)州の他の都市では、専制的な支配に対して激しいデモが行われてきた。

 英ロンドンを拠点とするニュースサイトのイラン・ワイヤ(Iran Wire)は、ツイッター(Twitter)に「サケズの住人は、サッカーのイラン代表相手に米国が先制点を奪うと祝福の花火を打ち上げ始めた」と投稿した。

 同サイトは、周辺で歓声が上がる中、花火が打ち上げられている映像を共有したが、AFPはすぐにこれを検証できていない。

 今回のデモを受け、イラン代表は政府と市民から圧力を受けるという二重の苦しみに直面しており、国民の中には対戦相手を応援する人がいるほどだった。(c)AFP