【11月28日 AFP】フィリピンの矯正局長が、刑務所敷地内にある自宅わきに大規模な穴を掘っていたことが明らかになった。受刑者のための脱出用トンネルではないかとの疑惑が浮上しているが、本人はスキューバダイビング用のプールだと釈明している。

 矯正局のジェラルド・バンタグ(Gerald Bantag)局長は、著名ラジオ司会者ペルシバル・マバサ(Percival Mabasa)氏の殺害を命じたとされており、停職処分を受けている。マバサ氏は先月、首都マニラの自宅前で、銃で撃たれ死亡した。

 検察はバンタグ氏について、十分な証拠がそろっていないとして起訴するか決めておらず、身柄は拘束していない。

 穴が掘られていたのは、マニラ市内のニュー・ビリビッド刑務所(New Bilibid Prison)の敷地内にある局長の元自宅の庭。奥行き約60メートルに及ぶものだった。穴はバンタグ氏の停職後に見つかった。

 バンタグ氏は地元メディアのインタビューで、穴を掘るよう指示したことは認めたが、受刑者を逃すためのトンネルではないと否定。スキューバダイビングが趣味のため「マニラで最も深いプール」を造りたかったと釈明している。

 だが、この穴から数メートル離れた場所には、25メートルプールがすでに設置されている。

 クリスピン・レムラ(Crispin Remulla)司法長官は先週、バンタン氏は穴について、旧日本軍が第2次世界大戦(World War II)中に東南アジア各地から盗み、フィリピンに埋蔵したとされる伝説の財宝を探すために掘ったと説明したと述べていた。

 バンタグ氏は2019年9月、当時大統領だったロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)氏により矯正局長に任命された。(c)AFP/Allison JACKSON