【11月24日 AFP】ウクライナ東部出身の代理母がロシアで出産した米国籍の双子の赤ちゃんがこのほど、米国人の両親に引き渡された。引き渡しに関わった米民間団体が23日、明らかにした。

「プロジェクト・ダイナモ(Project Dynamo)」によると双子は男女で、22日に「救出」された。

 プロジェクト・ダイナモは2021年、米軍のアフガニスタン撤退の際に米国人やアフガン人の国外退避を支援するため、退役軍人らにより立ち上げられた団体。

 同団体の広報担当者はAFPに対し、双子を連れ去ったのではなく、ロシア国内のエストニアにつながりのある「知人」の元に避難させたと説明した。

 代理母は、ロシアが一部実効支配するウクライナ東部ドンバス(Donbas)地方に住んでいた。ウクライナ侵攻が始まると、女性はいったんクリミア(Crimea)半島に避難。その後、ロシアのサンクトペテルブルク(St. Petersburg)に移動し、今年9月上旬に双子を出産した。

 双子は市内の孤児院に入れられた。匿名を希望している米テキサス州在住の両親は、双子を引き取ろうとしたができなかったため、プロジェクト・ダイナモに接触した。

 具体的にどのようにして双子を連れ出したのかは明らかにされていないが、「準備に1週間かかり、作戦は1日で完了した」という。

 同団体の創設者の一人は、支援の詳細な内容には触れずに、モスクワとエストニアの首都タリンの米国大使館に「深く感謝する」と述べている。

 米国務省の報道官は「この件を把握している」としたものの、「プライバシーにかかわるため、現時点ではこれ以上のコメントは控える」とした。(c)AFP