【11月27日 AFP】コートジボワールのドジェカヌー(Djekanou)準県ブリンガクロ(Bringakro)村付近のプランテーションで、カカオの果実から種子(カカオ豆)を取り出す生産者ら。取り出されたカカオ豆は天日干しされる。

 世界の2大カカオ豆生産国コートジボワールとガーナは21日、両国および世界の大手チョコレート会社などの代表者がカカオ豆の価格について協議する専門家会議を設置することで合意に達したと発表した。会議は来年第1四半期に報告書を出す見通し。

 コートジボワールとガーナは合わせて世界のカカオ豆の60%を生産しているが、両国の生産者の手に渡るのは世界のチョコレートの市場規模1300億ドル(約18兆円)の6%にも満たない。

 カカオ農家の貧困に対処するため、両国は2019年、2020/21年に収穫したカカオ豆について、引き渡し量1トン当たり400ドル(約5万6000円)を追加請求する制度を導入した。しかし購入側は、カカオ豆の品質に応じて買い取り価格に上乗せすることになっている金額をマイナスに設定してこれに対抗していたという。

 コートジボワールとガーナは、11月20日を期限として追加請求の支払いに応じるようチョコレート業界に要求し、応じなければ、カカオ豆の収量と価格を予想する上で重要なプランテーションの実地視察や、大手チョコレート会社が企業イメージ改善のために行っている持続可能性関連の活動を中止すると警告していた。

 コートジボワールのパトリック・アシ(Patrick Achi)首相は21日の記者会見で、同国産カカオ豆の全量を国内で加工するようにしたいという意向を示した。

 世界のカカオ豆の45%を生産しているコートジボワールだが、国内で加工しているのはその約4分の1にすぎない。カカオ豆生産各国は以前から、付加価値を生み出す部分を国内に取り込まなければ十分な雇用が得られないと主張していた。

 カカオ関連産業はコートジボワール経済の14%を占めるが、外国から人身売買されてきた若年者がプランテーションで働かせられる児童労働の問題も指摘されている。(c)AFP