【11月22日 AFP】ミャンマーで約2年間拘束され、恩赦により解放されたオーストラリア人のショーン・ターネル(Sean Turnell)氏が獄中での様子を語ったインタビューが22日、豪メディアに掲載された。尋問中には足かせがされ、拷問を受けた収容者の悲鳴が聞こえることもあったという。

 ターネル氏や日本人ジャーナリストの久保田徹(Toru Kubota)さんを含む約6000人が17日、恩赦により解放された。ターネル氏は18日に帰国した。

 民主化指導者アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏の経済顧問を務めていたターネル氏は2021年2月、国軍がスーチー氏を拘束し、実権を掌握した直後に拘束された。今年9月には国家機密関連法違反で禁錮3年が言い渡された。

 当初はヤンゴンのインセイン(Insein)刑務所の縦6メートル、横2.5メートルのコンクリート製の監房に収容された。鉄製の椅子があり、脚は床にボルトで固定されていた。

 ターネル氏は2か月にわたり尋問を受けた。就寝中に起こされたこともあるという。英国の情報機関のために働いていたとの嫌疑がかけられ、銃の密輸入に関与したとされたほか、スーチー氏顧問としての職務についても質問を受けた。

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 拘束された当初は、夜になると市民が軍のクーデターに抗議するため鍋やフライパンをたたく音が聞こえてきた。

 その後は爆発音や銃声、近くの監房で拷問を受けている収容者の声が聞こえるようになった。

 ターネル氏は、自分は慎重に扱われたと話す。「電極を付けられはしなかった。ただ、監房は不潔で食事はバケツで出された」

 その後、首都ネピドーの収容所に移された。食事はバケツではなくペンキ缶に入っていた。暴力は振るわれなかったものの、小突かれることがあったという。(c)AFP