【11月21日 AFP】カタール国営エネルギー企業「カタールエナジー(QatarEnergy)」は21日、中国と天然ガス供給で「史上最長期間」となる27年契約を締結したと発表した。欧州がロシア産ガスの代替調達先を求めて奔走する中、カタールはアジアとの関係を強化している。

 同社によると、中国石油化工(シノペック、Sinopec)に対し、新たに開発されたノースフィールドイースト(North Field East)輸出基地から年間400万トンの液化天然ガス(LNG)を供給する。

 エネルギー担当国務相であり、カタールエナジー最高経営責任者(CEO)のサアド・シェリダ・カアビ(Saad Sherida Al-Kaabi)氏は「LNG業界史上最長期間となるガス供給契約」だと述べた。

 日本、中国、韓国をはじめとするアジア諸国は、カタール産天然ガスの主要な輸出先となっている。ロシアのウクライナ侵攻開始以降は、欧州諸国も取引を模索しているが、ドイツなどはアジア諸国とは異なり長期契約には消極的であるため、交渉は難航している。

 ノースフィールドイースト輸出基地は、カタールのLNG生産拡大プロジェクトの中心的存在。生産量は2027年までに60%超増加し、1億2600万トンに達すると見込まれている。同輸出基地からの供給契約を結んだのは、中国が初めて。(c)AFP