【11月21日 AFP】インド南部ケララ(Kerala)州の小さな町パヌール(Panoor)で、サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)を楽しみにする地元ファンが掲げたポルトガル国旗を、テロとの関連が取りざたされるイスラム主義政党の旗と勘違いし引き裂いた男が逮捕される騒ぎがあった。

 国旗は、ポルトガル代表とクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)を応援する地元グループが飾ったものだった。

 ソーシャルメディアに投稿された動画には、道端に掲揚されたポルトガル国旗を男が旗ざおから引き剥がし、引き裂いて投げ捨てる様子が映っている。現地メディアによると、地元ファンが現場に駆け付け、男に猛抗議した。

 警察はAFPに対し、男は迷惑行為で逮捕されたが保釈されたと明らかにした。

 男がポルトガル国旗と勘違いしたのは、同じく赤と緑を基調としたインド社会民主党(SDPI)の旗。

 SDPIは、テロとの関連が疑われて9月に非合法化されたイスラム主義運動「インド人民戦線(PFI)」の政治部門で、パヌール周辺に強固な支持基盤を持つ。男はSDPIへの軽蔑を日ごろから口にしていたという。

 ケララ州は、クリケットが人気のインドでサッカーファンが多いことで知られる。4年に一度のW杯の時期には、州内各地でブラジルやアルゼンチンといった強豪国を町ぐるみで応援する光景が繰り広げられる。

 ポルトガル代表の人気が高いのは旧植民地ゴア(Goa)州だが、スター選手のロナウドは全国的に根強い人気を誇っている。(c)AFP