【11月21日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するアストンマーティン(Aston Martin F1)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)が、20日に行われた今季最終第22戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2022)限りで現役を引退し、「人生にはもっと大切なことがある」と前を向いた。

 現在35歳で、3人の子どもがいるベッテルは、引退の理由について家族と過ごす時間を増やし、他のことに挑戦したいからだと話している。最終戦ではフラストレーションのたまる戦略的なレース展開の中で、10位に入って1ポイントを獲得した。

 ベッテルは、レース前にファンから受けた多くのねぎらいに言及しながら、「レースを楽しんだ。ウオームアップから普段と少し違う感じでレースに入ったが、シグナルが消えたら完全にレースモードになった」と話した。

「チームとしてベストの戦略は取れなかった。コンストラクターズ選手権でもっと好成績を残せた可能性もあり、そこはもったいない部分だった。とはいえ、全体としては大きな一日だったし、サポートの数々に大いに感謝したい。たくさんのフラッグと笑顔を見られて、本当に格別だったし、とても気持ちがよかった」

「きっと、今思っているよりずっと恋しくなるだろう」

 ザウバー(Sauber)とトロ・ロッソ(Toro Rosso)、レッドブル(Red Bull)、フェラーリ(Ferrari)、そしてアストンマーティンに所属した15年のF1キャリアで、ベッテルはグランプリ299戦に出走し(エントリーは300戦)、ドライバーズ選手権4回制覇、GP53勝、ポールポジション57回という実績を残し、多くの称賛の声を耳にしながら現役を離れる。

 ベッテルは「少しむなしい」と認め、「大きな週末だった。ここ2年は残念だったが、人生にはもっと大切なことがある」と続けた。(c)AFP