■客も店の判断を支持

 ファーゴでは、単に1か月にわたる大会を無視しようとするだけでなく、人権講習をはじめ、アマチュアや女子の試合の団体観戦ツアーなど、大会と並行していくつかのイベント開催が予定されている。ペヒさんは「売り上げ、そしてもちろん収益が減るのは覚悟しているが、破産するほど悲惨なことにはならないだろう」と話し、「別のプログラムで人を呼び込もうともしているし、引きつけられる人もいるはずだ」と期待した。

 ファーゴの判断は、客の間でも不評ではない。自らを「活動的なサッカーファン」と称する24歳の男性客は、ボイコットを支持し、自分も同じようにするという。「観戦したい気持ちはあるがやめる」という同男性は、「W杯は生まれてから一度も見逃したことがなかった」が、「このドイツでも、エネルギー政策の影響によりアパートで凍えている人がいるのに、人工的に涼しくされたスタジアムで行われる大会を見るのは受け入れがたい」と語った。

 別の女性客も、W杯を初めてボイコットすると話し、ファンの思いをきっかけに、多くの人が開催国カタールにもっと厳しい目を向けるようになってほしいと願った。