【11月15日 AFP】アフガニスタンの実権を掌握するイスラム主義組織タリバン(Taliban)の最高指導者ハイバトゥラ・アクンザダ(Hibatullah Akhundzada)師は、同国の裁判官に対し、公開処刑や石打ち、むち打ち、窃盗犯の手足の切断など、シャリア(イスラム法)のすべての側面を完全に執行するよう命じた。ザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官が13日夜、発表した。

 同報道官はツイッター(Twitter)への投稿で、アクンザダ師が裁判官と会談後に「義務的」命令を出したと説明した。同師は、昨年8月にタリバンが政権を掌握して以来、公の場に姿を見せておらず、同組織発祥の地である南部カンダハル(Kandahar)から法令を出して同国を統治している。

 タリバンは1996~2001年に政権を握った際、抑圧的な支配体制を敷き、競技場でのむち打ちや公開処刑などを定期的に行っていた。昨年の政権掌握時にはより穏健な統治を約束していたが、徐々に国民の自由と権利の締め付けを強化している。

 ソーシャルメディアでは1年間以上にわたり、タリバン戦闘員がさまざまな犯罪の疑いで人々にむち打ちの刑を執行する動画や写真が拡散している。タリバンはまた、銃撃戦で死亡したとされる誘拐犯の遺体を何度か公の場にさらしている。農村部では、金曜礼拝の後、不倫をした人がむち打ちの刑に処されているとの報告もあるが、真偽は不明だ。(c)AFP/Abdullah HASRAT