【11月20日 AFP】サッカーボールは当初、動物のぼうこうを口で膨らませ、手で結んだものだった。

 これはすぐ破れるため、英国で18〜19世紀に皮革やコルクで覆った丈夫なボールが作られるようになった。

 1872年、イングランドサッカー協会(FA)はボールのデザインに関する初めてのガイドラインを制定。

 円周は68センチ、皮革で覆われ、キックオフ時の重さは396〜453グラムと定めた。

「キックオフ時」としたのは、昔のボールは水を吸いやすく、試合中に重さが倍になることもあったからだ。

 ヘディングした選手が脳振とうを起こすことも珍しくなかった。

 試合が進むにつれてボールが変形することも多かった。

 1970年代、水の吸収を防ぐポリウレタンコーティングのボールが登場。

 1986年にはW杯で初めて人工皮革のボールが採用された。

 1998年のW杯フランス大会(1998 World Cup)では白黒の慣習を破り、「トリコロール」カラーのボールが登場した。

 以降、W杯で使われるボールには最新技術が取り入れられている。

 2018年のロシア大会(2018 World Cup)の公式球は、1970年メキシコ大会(1970 World Cup)で使用されたボール「テルスター」のクラシックなデザインをモチーフにしたものだった。

 2022年カタール大会(2022 World Cup)では、20枚のパネルで構成され、青と赤のストライプにゴールドでアクセントを付けた「アル・リフラ(Al Rihla、<旅>の意味)」が使用される。

 新形状「スピードシェル」の採用でボールの飛翔速度が増し、ポリウレタン処理によって安定性と正確性が向上した。

 使われている接着剤とインキは水性だ。(c)AFP