【11月10日 AFP】アフガニスタンの実権を掌握するイスラム主義組織タリバン(Taliban)は今週、首都カブールの公園や遊園地への女性の入場を禁止した。

 タリバンは実権掌握以来、男性の付き添いなしで旅行するのを禁止し、外出の際には常にヒジャブやブルカの着用を義務付けるなど、女性の公共の場での自由を制限してきた。女子中等教育機関も、ほぼ全国で1年以上閉鎖されている。

 勧善懲悪省の報道官は9日夜、AFPの取材に応じ、「われわれはここ1年3か月、問題解決に最善を尽くしてきた」「しかし、いまだ一部の場所、いや、実際には多くの場所で規則が破られている」と語った。

「(男女が)分けられておらず、ヒジャブの着用も守られていないため、今回の判断に至った」

 ある女性は、公園で遊ぶ子どもたちを近くの飲食店の窓から見守りながらこう話した。「学校も、仕事もない。少なくとも私たちも楽しめる場所が欲しい」

 その隣のテーブルでは、姉妹と一緒に一日を過ごそうと公園に来た、大学でイスラム法を学ぶ女性(21)が「家にいるのに飽き飽きしていたので、楽しみにしていたのに」とがっかりした様子で言った。「イスラム教では外出して、公園に行くことは明らかに認められている。何の自由もないのなら、この国に住む意味があるのだろうか」

 女性だけではなく、施設開発に多額の投資をしてきた公園管理者らも落胆を隠せない。

 数キロ先にあるザザイ遊園地(Zazai Park)では、入場者数があまりにも少ないため、観覧車などほとんどの乗り物を突如運休にした。

 ハビブ・ジャン・ザザイ氏は、1100万ドル(約16億円)を投じ、遊園地を共同開発した。250人の従業員がいるが、遊園地を閉鎖しなければならないのではないかと心配している。

 ザザイ氏は「女性が来なければ、子どもたちも自分たちだけでは来ない」と訴える。今回の決定により、国外在住のアフガニスタン人は投資を避けるようになり、税収にも影響が出るだろうと警告する。

「政府は税金で運営されている。投資家が税金を払わなければ、どうやって国を運営していくつもりなのだろう」 (c)AFP/Estelle EMONET AND Aysha SAFI