【10月28日 AFP】台湾の台北市立動物園(Taipei City Zoo)は28日、飼育している人気のパンダが衰弱し死期が迫っているとして、中国の獣医師に異例の招請を行ったと明らかにした。

 18歳の雄の「団団(トゥアントゥアン、Tuan Tuan)」は、台中関係が比較的良好だった2008年に、雌の「円円(ユエンユエン、 Yuan Yuan)」と共に中国政府から贈られた。円円はこれまでに2頭の雌パンダを産んだ。団団と円円の名前を合わせると、「再会」や「統一」を意味する。

 台中関係は2016年から悪化の一途をたどり、中国政府は公式連絡を断ち、政府当局者の訪問も中止されている。

 だが団団が数週間前から体調を崩したことを受け、異例の措置が講じられた。動物園によると、招請した中国の獣医師団は7日間現地に滞在し、診察そのものは行わないものの、診察の様子を見守るという。

 動物園の飼育責任者は報道陣に対し、「(獣医師団の)来園の主な目的は団団に会い、現状を確認すること」だと話した。「先方から、団団に直接会いたいとの要望があった。私も非常に有意義な訪問になると思う」と述べた。

 訪台日程の詳細は公表されていない。台湾の大陸委員会は26日、ビザ(査証)の申請内容を審査中だとしている。

 獣医師が団団の病気の兆候に気付いたのは、けいれんや、倦怠(けんたい)感がある様子を示すようになった今年8月。その後のスキャンで脳に異常が見つかり、抗けいれん薬が処方されていた。

 動物園は今週に入り、団団の脳に腫瘍がある可能性があり、現在は苦痛緩和ケアを受けていると発表していた。(c)AFP/Sean CHANG