【10月20日 AFP】ミャンマーの最大都市ヤンゴンにあるインセイン(Insein)刑務所前で19日、少なくとも2個の爆弾が爆発し、8人が死亡、18人が負傷した。同刑務所には、反軍事政権デモを撮影中に拘束された日本人映像作家の久保田徹(Toru Kubota)さんが収監されている。

 同国の軍事政権は、人々が受刑者に物品を届けるために並んでいたところ、爆弾が爆発したと説明。「テロリスト」による犯行と主張し、死者には刑務所職員3人と10歳の少女が含まれていることを明らかにした。現場近くでは別の「手製地雷」も見つかり、治安部隊によって処理されたという。

 匿名を条件にAFPの取材に応じた目撃者は、列に並んでいたところ、最初の爆発が午前9時30分(日本時間正午)ごろに起きたと説明。直後に別の爆発が2回あり、銃声も聞こえたと語った。「出血している人を何人か見た。カウンターの周りのガラスはすべて粉々になっていた」という。

 別の目撃者によると、刑務所周辺は爆発後、治安部隊によって封鎖された。地元メディアが掲載した現場の写真には、カウンター周辺の床にある血痕のようなものや、粉々に割れた窓ガラスが写っている。

 犯行声明は今のところ出ていない。軍政報道官はコメントの要請に応じなかった。

 人権団体によると、インセイン刑務所には久保田さんの他、英国のビッキー・バウマン(Vicky Bowman)元駐ミャンマー大使ら数百人の政治犯が収監されている。(c)AFP