■「警鐘」

 インドネシア・イスラム大学(Islamic University of Indonesia)で国際関係論を教えるムスタファ・イズディン(Mustafa Izzuddin)客員教授は、今回の事故を受けて世界が注視しているのはサッカーだけではないと語った。

 インドネシアは今後、スポーツ大会の開催国としての能力にとどまらず、外交において主要プレーヤーとなるという野望についても、精査されることになる。

 インドネシアの安全基準は一般的に甘いとみられている。同国の航空会社はかつて、安全上の懸念から欧米諸国への乗り入れが禁止されていた。

「今回の事故は悲劇だったかもしれないが、インドネシアにとっては警鐘を強く鳴らすものとなった」とイズディン氏。「サッカーコミュニティー全体に対し、暴力対策に真剣に取り組む姿勢を見せなければならない」

 同国のサッカーの試合を見てきたイズディン氏によると、暴力事件は都市部から離れた場所で起きることが多い。そのため同氏は、安全確保のためには地方当局者が「重要な役割」を果たす必要があるとしている。

 ワートハイマー氏は、適切に対応すれば、インドネシアは国内外で信頼を取り戻せると語る。

「人々を守れるような実のある改革につながる徹底調査を実行できるだろうか」「それができれば、国際社会におけるインドネシアの評判はいずれ改善に向かうだろう」(c)AFP/Martin ABBUGAO