【9月28日 CNS】中国の工業情報化部は、2021年のロボット産業全体の売上高は1300億元(約2兆6014億円)を超え、産業用ロボット生産量は36万6千台に達し、中国が世界一の産業用ロボット市場の座をキープしたと明らかにした。

 8月18日から21日まで、北京で2022世界ロボット博覧会が開催された。中でも目を引いたのが「医療用ロボット」展示された数多くの医療用機器が高い関心を呼んだ。

 人口知能(AI)による識別で、病変が見つかった場合、手術はすぐに開始できるよう、患部のスキャンを迅速に完了するロボットなど、整形外科の脊椎と膝関節の手術やリハビリテーションから、内臓の手術まで様々な場面での動きをデモンストレーションし、より専門的な医療が行えることを披露した。

 今年の世界ロボット博覧会では、130社を超える出展企業のうち、120社近くが中国企業で、ほとんどが中国製だ。

 出展したうちの1社、直観復星医療器械技術(上海)(Intuitive Fosun)は、より高い精度と安定性を備えた手術用ロボットの技術革新と国内での開発や製造を追求するため、2017年から米インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical)と協力関係を結び、共同開発を継続している。今回は中国で製造した「米中共同開発による最新製品」を展示したと強調した。

 注目を集めたのは手術用だけでなく、高齢化が進む中国では高齢者や幼児向けのサービスロボットも関心を呼んだ。歩行をアシストする外骨格ロボットは多くの高齢者や子供たちが体験した。

 こうした状況について、ハルビン工業大学(Harbin Institute of Technology)ロボティクス研究所の杜志江(Du Zhijiang)副所長は「手術用ロボットは中国が長い間独占的な地位にある、これは関連製品の高度な技術集約と知的財産が要因だ」と指摘した。その上で、「中国は医療用ロボットの開発にとって黄金時代にあり、強力な政策支援、医師と患者の認識の継続的な改善、および技術の研究開発と産業応用にとって好ましい雰囲気が徐々に形成されていると考えている」との認識を示した。また次のステップについては「人材のギャップと産業チェーンの欠点を埋めることが、中国の医療用ロボット産業の開始の鍵となる」との課題を示した。(c)CNS/JCM/AFPBB News