【8月28日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は27日、エチオピア北部ティグレ(Tigray)州で幼稚園が空爆を受け「複数の子どもが死亡し、負傷者も出ている」と非難した。

 エチオピア北部では、政府軍とティグレ州の旧与党勢力「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」との休戦が数日前に破られ、戦闘が激化している。

 内戦終結に向けた和平交渉への期待が薄れる中、ティグレ州の州都メケレ(Mekele)が空爆を受け、市内最大の病院関係者によると、子ども2人を含む少なくとも4人が死亡した。

 地元テレビ局は、死者数は子ども3人を含む7人と報じ、大破した遊具や、鮮やかな絵で彩られた建物ががれきと化した様子を放映した。

 これに対しエチオピア政府は、軍事施設のみを標的にしたと主張。TPLFが「民間人の居住地域に偽の遺体袋を遺棄」し、空爆被害をでっち上げたと非難した。

 しかし、ユニセフのキャサリン・ラッセル(Catherine Russell)事務局長は、空爆が「幼稚園を直撃した」として、「強く非難する」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 ティグレ出身の世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長も、「野蛮」で「恐ろしい」と非難した。

 国連は3月、「エチオピア空軍が行ったとみられる」空爆で1~3月に少なくとも304人の民間人が死亡したと発表。難民キャンプ、ホテル、市場などが戦闘機と無人機による空爆を受けており、戦争犯罪に当たる恐れがあると警告している。(c)AFP/Aymeric VINCENOT