【8月27日 AFP】米南部フロリダ州にあるドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の邸宅「マーアーラゴ(Mar-a-Lago)」が連邦捜査局(FBI)の家宅捜索を受けた問題で、捜索の理由を記載した宣誓供述書が26日、司法省により開示された。大部分を黒塗りにした上での公開となったが、公表された部分からは、トランプ氏が先に返却した一連の文書に機密情報が含まれていたことが捜査のきっかけとなったことが明らかになった。

 宣誓供述書によると、米国立公文書記録管理局(NARA)は今年1月、ホワイトハウス(White House)からマーアーラゴに不正に持ち出された文書15箱分を受領。その中には「秘」と記された文書が67点、「極秘」と記された文書が92点、「最高機密」と記された文書が25点あり、国防関連情報の他、国家機密の中でも特に厳重に管理されている「秘密人的情報源」からの情報が含まれていた。

 FBIはこれを受け、捜査を開始。今月8日にマーアーラゴを捜索し、「最高機密」や「極秘」、「秘」と記された多数の文書を新たに押収した。

 政府は宣誓供述書の公開に反対していたが、裁判所は、国家安全保障に関連する捜査の妨げとなる部分を伏せた上で、26日正午(日本時間27日午前1時)までに文書を開示するよう命令。文書公開は大きな注目を集め、裁判所のウェブサイトがアクセス集中により一時ダウンする事態にもなった。

 司法省はさらに、トランプ氏の代理人弁護士による今年5月25日付の書簡も公開した。弁護士はその中で、引っ越し業者によってマーアーラゴに移された箱に機密情報が「知らず知らずのうちに」含まれていた可能性があると説明。一方で、大統領には文書の機密を解除する絶対的権限があり、機密文書の許可のない持ち出し・保持に関する刑事責任は問えないと主張している。(c)AFP