【8月19日 AFP】米保健当局は18日、サル痘の感染拡大を食い止めるための新たな試験的な取り組みの一環として、プライドイベントなどの会場でワクチンを接種できるようにすると発表した。

 欧州で5月に今回のサル痘の流行が始まって以降、米国の感染者は急増し、1万3500人となっている。最新の政府データによると、感染者の98%は男性で、うち93%は他の男性との性的接触があるとされる。特にヒスパニック系と黒人の感染者が多い。

 ホワイトハウス(White House)のサル痘対策調整官、ボブ・フェントン(Bob Fenton)氏は記者団に対し、「プライドイベントなどの会場で、国家備蓄からワクチン最大5万回分を提供する試験的な取り組みを開始する」と語った。

 米国では9月5日のレーバーデー(Labor Day)前後やその前の週末に、ジョージア州アトランタ(Atlanta)の「ブラック・プライド(Black Pride)」やルイジアナ州ニューオーリンズ(New Orleans)の「サザン・デカダンス(Southern Decadence)」などの著名なイベントが控えている。

 米疾病対策センター(CDC)のロシェル・ワレンスキ(Rochelle Walensky)所長は、提供するサル痘ワクチン「ジニオス(Jynneos)」は2回接種が必要なため、接種後すぐに予防効果を得られるわけではなく、2回目の接種も受ける必要があると説明した。

 フェントン氏によると、連邦政府はこれまでにワクチン約180万回分を州などの地方自治体に配布しているが、来週から180万回分を追加供給するという。(c)AFP