【8月1日 AFP】1992~98年にフィリピン大統領を務めたフィデル・ラモス(Fidel Ramos)氏が7月31日、死去した。94歳。86年にフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)独裁政権を打倒した「ピープルパワー政変」で主導的な役割を果たした。

 家族が発表したが、死因は明らかにしなかった。

 また、堅実な成長と平和の時代を築いたことから同国史上最も有能な指導者の一人とされる。激動の時代にも動じることなく「ステディ・エディ(Steady Eddie、堅実なエディ)」の愛称で知られ、火の付いていない葉巻をくわえる姿がたびたび写真に収められている。

 ラモス氏はカトリックが多数派を占めるフィリピンで初めて大統領を務めたプロテスタントでもある。カトリック教会の一部の反対を押し切って就任し、家族計画を積極的に推進して急激な人口増加を抑制した。

 6月に就任した故マルコス元大統領の息子フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos Jr)大統領は、「軍人・公僕として充実した人生を送り、きょう亡くなったフィデル・ラモス大統領の家族に心からお悔やみ申し上げる」「ラモス氏が大統領として残したものは国民の心に永遠に刻まれるだろう」と追悼した。(c)AFP/Cecil MORELLA