【7月26日 AFP】国連(UN)は25日、カリブ海(Caribbean Sea)に浮かぶ島国ハイチの首都ポルトープランスで今月発生したギャング間の抗争による死傷者・行方不明者が少なくとも471人に上ると明らかにした。

 抗争は8~17日に首都郊外の貧困地区シテソレイユ(Cite Soleil)で起きた。国連は「女性や少女に対する性的暴行やギャングによる少年の勧誘など、深刻な事案も報告されている」としている。死者が何人かは明らかにされていない。

 避難した人も約3000人に上った。そのうち数百人は、親を伴わず自分たちだけで逃げてきた子どもだという。また、住宅も少なくとも140軒が破壊された。

 ギャングによる誘拐も相次いでいる。ハイチの人権団体「人権分析研究センター(CARDH)」がまとめた報告書によると、6月の発生件数は少なくとも155件で、5月の118件を上回った。

 ハイチでは2016年の大統領選以来、政情不安が続いており、21年7月7日にジョブネル・モイーズ(Jovenel Moise)大統領が自宅で暗殺されて以降は情勢が一段と悪化している。(c)AFP