【7月26日 AFP】ミャンマー軍事政権が民主活動家ら4人の死刑を執行したとの25日の国営メディアの報道を受け、国際社会からは非難の声が相次いだ。

 4人のうち1人は、民主化指導者アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏率いる国民民主連盟(NLD)の元議員ピョーゼヤトー(Phyo Zeya Thaw)氏。ヒップホップ歌手でもあり、前軍政を批判する歌で知られる。「ジミー」の名で呼ばれる著名活動家チョーミンユ(Kyaw Min Yu)氏も死刑に処された。2人とも反テロリズム関連法違反で有罪とされていた。

 残り2人は、軍政に情報を提供したとされる女性を殺害した罪に問われた。国軍は、死刑執行報道を事実として認めた。

 これを受け、欧州連合(EU)、オーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランド、ノルウェー、韓国、英国、米国は25日、共同声明を発表。「ミャンマー軍事政権による民主活動家らの死刑執行は非難すべき暴力行為であり、政権が人権と法の支配を無視していることの表れだ」とした。

 米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官はこれとは別に、「(軍事)政権による見せ掛けの裁判と死刑執行は民主主義の火を消そうとするあからさまな試みだ。だがそうした試みにもかかわらず、ビルマ(ミャンマー)の勇敢な人々の精神が抑圧されることはない」と述べた。

 国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は広報を通じて、「いかなる状況においても」死刑には反対だと強調。国連人権高等弁務官のミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)氏は「残酷で、時代に逆行している」と非難した。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によると、ミャンマー軍事政権下の裁判で約100人が死刑を宣告され、収監されている。(c)AFP