【7月18日 AFP】ロシア政府系テレビの生放送中にウクライナ侵攻に抗議したことで知られ、警察に連行されたと伝えられていたジャーナリストのマリーナ・オフシャンニコワ(Marina Ovsyannikova)さん(44)は18日、警察に数時間拘束された後、釈放されたと明らかにした。

 オフシャンニコワさんはフェイスブック(Facebook)に、「私は帰宅している。すべて順調だ」「パスポートとバッグを持って家を出る方がよいと分かった」と記している。

 オフシャンニコワさんについて弁護士は、先週モスクワの裁判所前で、ロシア軍に関する虚偽情報を拡散した罪で告発された野党指導者イリヤ・ヤシン(Ilya Yashin)氏を支持する発言を行い、軍の「信用を失墜させた」容疑で連行されたと主張していた。

 また、オフシャンニコワさんは数日前、大統領府(クレムリン、Kremlin)付近でウクライナ侵攻とウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を批判するプラカードを掲げ、単独で抗議活動もしていた。

 現在ロシアでは、当局が虚偽と見なした軍関連の情報を拡散する行為は、15年以下の懲役刑の対象となっている。これまでのところ、ロシア当局はオフシャンニコワさんに対する刑事捜査の開始を発表していない。

 オフシャンニコワさんは今年3月、勤務先のテレビ局「第1チャンネル(Channel One)」の夜のニュース番組の生放送に割り込み、「戦争反対」と書いた紙を持って抗議。身柄を拘束され、罰金を科された後、釈放された。

 その後、ドイツ日刊紙ウェルト(Die Welt)で一時働いていたが、今月上旬、子ども2人の親権をめぐる調停のためロシアに帰国すると明らかにしていた。(c)AFP