【7月13日 AFP】南米ペルーの地方の村で、女性7人が「魔術」を使ったとして約2週間にわたって拘束されてむち打たれる事件があり、検察が捜査を進めている。当局が12日、明らかにした。

 女性たちは6月29日に同国の一部の地方で治安維持に当たっている「農民自警団」に拘束され、政府の介入で今月12日に解放された。

 介入のきっかけになったのはソーシャルメディアに投稿された動画だった。動画には、片足でつられてむちで打たれ、自分は魔女だとの自白を強要される女性や、そのそばで裸で尋問される女性が映っていた。

 現地メディアによると、女性の年齢は43~70歳。男性1人も一緒に拘束されていたが、むちで打たれた痕跡はなかった。

 ペルーの人権オンブズパーソンを務めるエリアナ・レボヤル(Eliana Revollar)氏はAFPに対し、アンデス(Andes)山脈のへき地の村チリア(Chillia)で複数の村人が病気になったり死亡したりしたことを受け、女性たちは「魔術」を使ったとして拘束されたと説明した。ペルーの人権オンブズパーソン事務局も本件を調査している。

 レボヤル氏によると、政府の介入後に加害者の責任を問わないことと「魔術を使わないこと」に同意する文書に署名したことで、女性たちはようやく解放されたという。

 検察当局は、女性たちを拘束したのは「チリア地区の農民自警団」だとの見解を示している。ペルーの農民自警団は40年以上前、家畜の盗難防止を目的に結成された。(c)AFP