【7月12日 Xinhua News】中国新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の新疆キジル石窟研究所はこのほど、同自治区内で5~14世紀(南北朝~元末)に開削された仏教遺跡、クムトラ石窟を10月に一般公開すると発表した。

 同石窟は全国重点文物保護単位(国宝・重要文化財に相当)に指定されている。キジル石窟研究所の苗利輝(Miao Lihui)副所長兼研究員によると、これまでに122の石窟に番号が付けられ、初期と中期、後期の三つの時期に分かれる。初期の石窟の壁画には亀茲(きじ)国(かつてタリム盆地の北側に存在したオアシス国家)の特徴が色濃くみられ、中期は中原(黄河中・下流域)地域の仏教の影響が強まり、漢人の姿と漢文の題記が多く出現する。後期は「回鶻(かいこつ、現在のウイグル族の祖先)」の供養人(寄進者)像と回鶻文の題記が見られ、亀茲へ移住した回鶻人が地元の人々と同じ仏教を信仰していたことが分かる。

 苗氏は「クムトラ石窟は初めて対外公開される。保存状態に基づき、まずは12の石窟の公開をする。周辺のインフラ整備も進んでいる」と語った。

 石窟は、新疆ウイグル自治区アクス地区クチャ市の市街地から約30キロ離れた渭干河(ムザルト河)の河谷地帯にある。同河谷には新疆二大仏教石窟寺院があり、山の北麓が中国最古の仏教石窟寺院キジル石窟、南麓がクムトラ石窟になる。(c)Xinhua News/AFPBB News