【7月18日 AFP】エルニーニョ(El Nino)とラニーニャ(La Nina)は周期的な気象現象で、世界の気候に多大な影響を及ぼしている。

 これらの現象は、太平洋赤道域の中部から東部にかけての海面水温および大気の変動と密接に関わっている。

 エルニーニョは南米沿岸の海面水温が高いことを示す用語で、19世紀からペルーの漁師の間で沿岸の暖かい海流を表す言葉として使われてきた。

 一方、ラニーニャは同海域の海面水温が低いことをいう。

 これらの現象は9~12か月程度続き、2~7年の周期で不規則に発生するが、発生しない期間もある。

 エルニーニョとラニーニャは、熱帯付近の降雨サイクルと大気の循環に影響を与える。

 エルニーニョが発生すると、オーストラリア東部、インドネシア、フィリピン、インド、アフリカ南部、ブラジル北部では降水量が平年を下回り、南米の西部、赤道アフリカ東部、米南部では多雨となる。

 ラニーニャによる降雨への影響は、その逆となる。

 また、エルニーニョが起きると気温は上がり、ラニーニャが起きると気温は下がる。

 気候変動によってこれらの現象の発生頻度が高まっているという証拠はないものの、エルニーニョの影響は悪化していると考えられている。

 一方で、ラニーニャによる気温低下が温室効果ガスによる気温上昇に歯止めをかける可能性は低い。ラニーニャが発生した2020年、世界の平均気温は観測史上最高となった。(c)AFP