【6月15日 AFP】11月に開幕するサッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)で、大会を観戦に訪れる台湾のファンが、公式のIDカード上では中国人として登録しなければならない可能性があり、台湾政府が抗議していることが分かった。関係者が14日に明かした。

 問題の原因は、台湾パスポート(旅券)を認識するシステム側にあるとみられている。台湾外交部(外務省)の報道官によれば、政府も問題を認識し、カタールでの事案も扱う在サウジアラビアの台湾代表処に対し、「関係部署とコミュニケーションを取る」よう指示を出したという。

 11月21日から12月18日にかけて行われ、100万人以上が観戦に訪れるとみられるカタールW杯では、観客は「ヘイヤ」というファンIDカードを申請する必要がある。このカードは入国ビザ(査証)の役割を果たし、スタジアム入場時にも必要になる。

 しかし、申請ページの国一覧には台湾も、台湾が国際スポーツ大会に参加する際に使っている「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」もない。

 プログラムの責任者は、台湾旅券を読み込む際に、システム側が中国国籍として扱ってしまうようだとコメント。国籍表示に関係なく申請は問題なく承認され、入国は認められるとして、旅券を読み込んだ際に指定された国籍をそのまま使ってほしいと話している。(c)AFP