【6月7日 AFP】フィジーの最高裁判所は7日、米国が制裁対象となっているロシア人の所有と指摘する豪華ヨットを米当局に引き渡す判断を下した。

 3億ドル(約400億円)と推定される「アマデア(Amadea)」は全長106メートルで、ヘリポートやプールなどを備えている。

 アマデアは米政府の要請に基づき、4月半ばにフィジーのラウトカ(Lautoka)に入港すると同時に差し押さえられた。米側は同船について、制裁対象となっているロシア人の富豪で政治家のスレイマン・ケリモフ(Suleiman Kerimov)氏に関係があるとしている。

 ヨットの現在の所有者として登録されているミレマリン・インベストメンツ(Millemarin Investments)は先週、米当局への引き渡しの裁判所命令の執行延期を申し立てていたが、フィジー最高裁の裁判長は7日、この申し立てを退けた。

 米国は2018年、資金洗浄などを理由にケリモフ氏を制裁対象とした。同氏に対しては、ロシアによるウクライナ侵攻開始を受けて、他国や欧州連合(EU)も制裁を科している。(c)AFP