【5月30日 AFP】南米コロンビアで29日、大統領選挙が行われ、「変革」を訴える元左翼ゲリラの左派グスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)元ボゴタ市長(62)が首位で6月の決選投票に進んだ。

 開票率98%超の時点で、ペトロ氏は40.3%を獲得。左派候補として歴史的な得票率を記録した。

 2位はポピュリストの富豪ロドルフォ・エルナンデス(Rodolfo Hernandez)氏(77)で、得票率は28%。世論調査で有力視されていた前メデジン(Medellin)市長の右派フェデリコ・グティエレス(Federico Gutierrez)氏を抑え、大きく躍進した。

 過半数に届く候補がいなかったため、6月19日に上位2人による決選投票が行われる。

 コロンビアでは昨年、社会・経済面での苦境が深刻化する中、反政府デモが激化。最終的に警察に鎮圧され、多数の死傷者が出た。イバン・ドゥケ(Ivan Duque)大統領は、不支持率が過去最高水準に達したまま、4年間の任期を満了することになる。

 世界銀行(World Bank)によると、コロンビア国民約5000万人の約40%が貧困状態にある。コロンビアは世界で最も所得格差が大きい国の一つでもある。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で問題は悪化し、都市圏の6人に1人が失業している。

 ペトロ氏は貧困対策を公約し、原油採掘の段階的廃止など環境に優しい経済政策を掲げる。一方のエルナンデス氏は、大使館を閉鎖して浮いた資金を学生ローンの返済に充当する構想などを提案している。(c)AFP/Mariette Le Roux