【5月25日 AFP】メキシコ中部グアナフアト(Guanajuato)州セラヤ(Celaya)で23日夜、武装集団がホテルと2軒のバーを銃撃し、10人が死亡した。治安当局が24日、発表した。現場には、犯罪組織として知られるグループが犯行を主張するメッセージが残されていたという。

 現地の治安当局によると、女性7人と男性3人が死亡し、2人が負傷。銃声の通報を受けて現場に駆けつけ、遺体を発見した。

 目撃者によると、犠牲者は銃で撃たれ、現場はガソリンがまかれ放火された。遺体は、プラスチック製のテーブルや椅子の間に散乱し、1体は歩道に横たわっていたという。

 同州は製油所や大規模なパイプラインがある工業地帯として栄えているが、麻薬カルテルの「サンタ・ロサ・デ・リマ(Santa Rosa de Lima)」と「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」が麻薬や盗品の密売ルートをめぐって抗争を繰り広げており、暴力事件が多発している。当局は、今回の襲撃への関与が疑われる犯罪組織を名指ししていない。

 メキシコ政府は2006年12月、軍を動員し麻薬撲滅作戦を開始。公式統計によると、国内では以降、34万件以上の殺人事件が発生した。軍の投入が暴力の連鎖を引き起こしたとの批判も出ているが、当局は死者の大半が組織犯罪の犠牲者だとしている。(c)AFP