【5月10日 AFP】9日投開票のフィリピン大統領選で、故マルコス元大統領の息子のフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)元上院議員の当選が確実となった。

 開票率90%強の時点で、マルコス氏がほぼ3000万票を獲得。リベラル派の現職の副大統領レニ・ロブレド(Leni Robredo)氏に2倍以上の差をつけた。

 独裁体制を敷いた父親のマルコス元大統領は1986年、「ピープルパワー革命」で失脚。元大統領や母親のイメルダ(Imelda Marcos)夫人ら一家はハワイに亡命した。

「ボンボン(BongBong)」の愛称で知られるマルコス氏は、マルコス元大統領政権下での強権政治や汚職の過去をあいまいなものにする選挙運動をオンラインで展開。現職のロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領の継承者を自任し、支持を広げた。

 人権活動家やカトリック教会の指導者、政治アナリストらは、マルコス氏が大統領選で圧勝した場合、父親よりも強権的な手法を取る可能性があると警告していた。

 マルコス氏は首都マニラで深夜演説し、ボランティアの「犠牲と働き」に感謝した。ただ、開票作業が続いているとして、勝利宣言は行わなかった。(c)AFP/Andrew Beatty with Allison Jackson in Manila