【4月28日 AFP】エチオピア北部アムハラ(Amhara)州の古都ゴンダル(Gondar)で26日、武装集団がイスラム教徒の長老の葬儀が行われた墓地を襲撃し、20人以上が死亡した。同州のイスラム教団体が27日、明らかにした。

 同団体は、重武装した「過激派キリスト教徒」による「虐殺」としている。武装集団は、重機関銃を乱射し、手投げ弾も使用。負傷者は病院に搬送されたという。

 襲撃が起きた墓地は、モスク(イスラム礼拝所)と教会に隣接しており、エチオピアで多数派のキリスト教正教徒と少数派のイスラム教徒の間での対立の火種となっていた。アムハラ州当局によると、今回の襲撃の発端は、埋葬に使われた石が採られた場所が墓地か教会の敷地かをめぐる対立だった。

 イスラム教徒はエチオピアの人口約1億1000万人のうち3分の1を占めるが、同国で2番目に人口が多いアムハラ州では信者は比較的少ない。識者は、同国では宗教が原因のように見える紛争でも、土地利用や民族問題などが背景にあることが多いと指摘している。(c)AFP/Aymeric VINCENOT