ロシアから帰国すべきか…選択迫られる中央アジアの労働者
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■GDP8割が国外からの送金
ドゥシャンベ中心部の銀行前に集まっていた女性たちは3月初め、ロシアからのルーブル建ての送金は減っていると語った。ルーブル下落の影響でタジク通貨ソモニも約14%下落している。
息子がモスクワで配達員をしているという女性は、送金額は10~20%減ったと話した。
タジクの隣国、人口700万人のキルギスでは、国外からの送金がGDPの8割を占めており、国内経済はロシアの景気に大きく左右される。
ロシア・シベリア(Siberia)地方の都市ノボシビルスク(Novosibirsk)のキルギス人会で幹部を務めていたというチナルカン・シディコワ(Chynarkan Sydykova)さん(51)は、家族の介護のため首都ビシケクに戻って来た。
シディコワさんはAFPに対し、まだロシアにいるキルギス人の知人から何度も電話がかかってきて、帰国方法や求人状況などについて質問されたと語った。
シディコワさんによると、キルギス人はロシアの主要都市で小売業や飲食業などで働くことが多い。そのため、西側諸国の経済制裁で、米ファストフード大手マクドナルド(McDonald's)など欧米の有名ブランドが相次いで撤退・休業したことによる影響を特に受けているという。
キルギス国内には失業者が10万人以上いるとシディコワさん。「(出稼ぎ労働者が)戻って来たらどこで働くのか、どうやって家族を養うのか。大きな問題だ」と漏らした。(c)AFP/Khurshed Davronov