【3月24日 AFP】ロシアのアレクサンドル・ノバク(Alexander Novak)副首相は23日、ロシア産原油・天然ガスの禁輸措置に踏み切れば、世界のエネルギー市場は「崩壊」するだろうと警告した。

 ロシアメディアによると、ノバク氏は議会下院で「(ロシアへの)制裁を実施してロシアの炭化水素(原油・天然ガスなど)がなくなれば、原油・天然ガス市場が崩壊するのは明白だ」と主張。「エネルギー価格は予測不可能なほど上昇する可能性がある」と述べた。

 さらに、欧州連合(EU)はエネルギー資源の不足と価格の高騰に直面しているにもかかわらず、米政府の圧力でロシア産の天然ガスをドイツに輸送するパイプライン「ノルドストリーム2(Nord Stream 2)」計画を停止したとして、「その結果、欧州ではこの1年で電気料金が10倍、ガス料金が5倍になった」と主張した。

 続けて、ガス料金は1000立方メートル当たり4000ドル(約48万円)になったこともあるが、「これが最高価格ではない」と説明した。

 欧州では昨冬、天然ガス価格が高騰。ノルドストリーム2計画を推進するため、ロシアが天然ガス不足を画策したとの批判が起きていた。

 ノバク氏は、禁輸措置を「ばかばかしいにもほどがある」と非難。欧州の消費者はエネルギー価格の「これまで以上の値上げ」に直面することになるが、「こうした結果を招いたのは、その場しのぎの政策を実施し、戦略的計画を持たない欧州の意思決定者のどうしようもない無能さであることを強調しておきたい」と述べた。(c)AFP