■国連支援の削減や停止

 荒地に広がるクダシュ・キャンプでは、2600以上の家族が極貧状態の中、仮設テントで暮らしている。屋根のないテントさえある。戦闘により、緊要な物資の到着は妨げられている。

 ハッジャ県にある数か所の避難民キャンプで急性栄養失調に苦しむ子どもは数百人に上ると、現地の病院長アリ・アシュワル(Ali al-Ashwal)氏はAFPに語った。

「1か月に300人以上の患者を受け入れることもあります。これは病院まで来られる人だけです」と院長。「交通費が上がったため、病院にたどり着けない患者もたくさんいます」

 特別に用意された病室で、やせ衰えた子どもたちがベッドに横たわっている。20床のベッドはすべてふさがっている。

 国連のマーティン・グリフィス(Martin Griffiths)事務次長(人道問題担当)は2月の安全保障理事委員会(UN Security Council)で、「国連の主要な援助プログラムのうち3分の2近くが(1月末までに)削減または停止されている」と述べている。

■「死刑判決」

 既にアラビア半島の最貧国だったイエメン。長年の内戦や経済破綻、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で壊滅的な打撃を受けた。

「家庭、学校、モスク(イスラム礼拝所)、病院など、民間人が保護されるべき場所にまで戦争が忍び寄っています」とグリフィス事務次長。

「(資金)不足に取り組まなければ、支援に頼って生き延びている一部の人々にとって、まさに死刑判決となるでしょう」

 映像は2月17日撮影。(c)AFP