【3月13日 AFP】テニス、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2022)は12日、女子シングルス2回戦が行われ、四大大会(グランドスラム)通算4勝の大坂なおみ(Naomi Osaka)は0-6、4-6で大会第21シードのベロニカ・クデルメトワ(Veronika Kudermetova)に屈し、敗退した。試合中には、観客のやじに涙する場面があった。

 3回戦敗退に終わった1月の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)以来となる実戦に臨んでいた大坂は、第1セットの序盤に観客が「なおみ、あんたは最低だ」と叫んだことで動揺した。

 その後も気持ちを奮い立たせてプレーを続行し、第2セットに入ってようやく感覚をつかんだかに見えたが、クデルメトワの壁を突破できなかった。

 試合後にはコート上で、2001年のこの大会でヴィーナス(Venus Williams、米国)とセレーナ(Serena Williams、米国)のウィリアムス姉妹がやじを浴びたことを思いだし、言葉が頭から離れなかったと訴えた。

「正直に言って、前にもやじを受けたことがあったと思うけれど、その時はあまり気にならなかった」と振り返った大坂は「でも、ヴィーナスとセレーナがやじを浴びせられている映像を見たことがある。もし見たことがないのなら、見てほしい」と続け、再び涙を流した。

 大坂はまた「なぜかわからないけれど、頭の中に浮かんできて、何度も繰り返された。泣かないようにしているんだけど…」と声を詰まらせた。

 2001年大会の準決勝で、セレーナと対戦予定だったヴィーナスが膝の負傷により試合を棄権すると、翌日の決勝ではスタンドの席に着いたヴィーナスと父親のリチャード(Richard Williams)さんにやじが飛ばされ、試合中にはセレーナも罵声を浴びた。これを受けてウィリアムス姉妹は、この大会を長らくボイコットしていた。(c)AFP