【3月2日 AFP】欧州連合(EU)の単一破綻処理委員会(SRB)は1日、ロシアの最大手銀行、国営ズベルバンク(Sberbank)の欧州子会社ズベルバンク・ヨーロッパ(Sberbank Europe AG)について、破綻処理手続きに入ると発表した。ズベルバンクはロシアのウクライナ侵攻を受け、西側諸国の制裁対象となっていた。

 ズベルバンク・ヨーロッパのオーストリア本店は「通常の破産手続き」に入る。クロアチアとスロベニアにある支店は地元銀行に売却された。

 預金は欧州法に基づき、オーストリア本店で1人当たり10万ユーロ(約1300万円)まで、クロアチアとスロベニアの支店では「全額」保護される。

 欧州中央銀行(ECB)は2月28日、ズベルバンク・ヨーロッパについて「地政学的緊張に伴う風評被害のため多額の預金が流出している」と指摘。「流動性の低下により破綻状態にあるか、もしくは破綻する公算が大きい」と認定していた。

 ロシア中央銀行が対ロ制裁参加国への送金を禁止しているため、親会社のズベルバンクは支援できなかった。

 SRBは、ズベルバンク・ヨーロッパを破綻させても「金融の安定に悪影響はない」と判断した。クロアチアとスロベニアの支店は3日、通常営業を再開する。(c)AFP