【2月28日 AFP】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン(Taliban)は27日夜、自国民の出国を厳しく制限すると発表した。また、首都カブールなど複数の都市で治安維持を目的とした「掃討作戦」を展開していることも明らかにした。

 タリバン暫定政権のザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官は新たな渡航規制について、国外に暮らす多くのアフガン人が「非常に悪い状況にある」とする報告を受けたためだと説明。「政府には国民を保護する責任がある。国民の命が危険にさらされないという保証が得られるまで」出国を制限すると述べた。

 各国政府や非政府組織(NGO)の計画したアフガン人の国外退避禁止に加え、自力で出国を試みる家族も「理由」がなければ出入国管理局に止められることになる。また、男性親族を伴わない女性の出国は禁止される。

 タリバンはまた、カブールなど複数の都市で先週末から「誘拐犯、窃盗犯、強盗犯」を取り締まるため、1軒ずつ民家をしらみつぶしに捜索する「掃討作戦」を開始したと発表。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」メンバーの疑いのある6人と誘拐犯9人、窃盗団53人を拘束したとした。

 カブールの大規模な治安作戦は28日も続いており、欧米が支援していた前政権や米軍をはじめとする駐留軍に協力していた人々は、標的とされることへの警戒を強めている。

 欧州連合(EU)のアンドレアス・フォンブラント(Andreas von Brandt)駐アフガニスタン大使は、「異なる民族グループや女性に対する脅迫、家宅捜索、逮捕、暴力は犯罪であり、直ちにやめなければならない」「(ウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin)大統領の戦争があろうが、われわれはあなた方を見ている」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 これに対し、ソーシャルメディアを多用するタリバン当局者のムハンマド・ジャラル(Muhammad Jalal)氏は、「プーチン氏から欧州を守ることに集中しろ」と返した。(c)AFP