【2月9日 AFP】カナダの首都オタワで行われている、トラック運転手による新型コロナウイルスの規制に反対するデモが12日目に入った。議会が見える場所に止められた大型トレーラーの脇でたき火をしながら、運転手らは疲れをものともせず、「自由」を守るための座り込みを続ける決意を固くしている。

 デモ参加者の一人、大工のセバスチャン・ボードワン(Sebastien Beaudoin)さん(39)はAFPに対し「自分の暮らし、みんなの暮らしを取り戻すためにここにいる」と話す。「夜になって踊ったり、ハグし合ったりするのもまたいいものだ」

 先月末、政策反対のスローガンを掲げた多数のトラックがオタワに集結した。米国とカナダの国境を行き来するトラック運転手にワクチン接種を義務付ける規則の撤廃を求めるデモは、現在では新型コロナに関する全ての規制に反対する広範な抗議へと発展している。

 ケベック(Quebec)州から来たソフィー・ルブラン(Sophie Leblanc)さん(38)は、6日から座り込みに参加している。

「ワクチンは接種していない。(ワクチンパスポート用の)QRコードもいらない。でも買い物に行けるようになりたい」と語った。

 運転手らは、ワクチン接種義務反対の意思表示として大音量でクラクションを日夜かまわず鳴らしていた。裁判所が7日、クラクションを鳴らすのをやめるよう命じたため、今は代わりにエンジンを空ぶかししている。辺りにはディーゼル油の臭いが漂っている。

 カナダでは昨年、感染拡大を抑えるため複数の州で厳格な規制が導入された。特にケベック州のロックダウンは世界最長とされ、夜間外出禁止令も出された。

 オンタリオ(Ontario)州スミスビル(Smithville)のトラック運転手で、議会前に停車しているジェイ・バンダウィア(Jay VanderWier)さんはAFPに「体に摂取するものや行動範囲など個人の生活にまで政府が口出しするのは許されない」と話した。

「2週間で感染を抑えると聞かされてきたが、今は何か月目だと思っているんだ」と、政府を批判する。デモ参加者は自由を取り戻すためならなんでもするつもりだが、暴力には訴えないと語った。

 バンダウィアさんは、新型コロナ規制によって失業した人や自殺した人もいると指摘。国民の窮状を知りながらジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は夜眠れるのだろうかと、疑問を投げかけた。現状はすべて「政府の無情な決定」によってもたらされたと力説した。(c)AFP/Genevieve NORMAND