【1月31日 AFP】(更新)ポルトガルで30日、議会(定数230)選挙の前倒し総選挙の投票が行われ、与党社会党が勝利した。改選前の108議席から117議席に増やし、単独過半数を獲得した。一方、極右政党の躍進も目立った。

 与党が勝利を収めたことで、新型コロナウイルスの流行により大打撃を受けた観光業に依存する経済の立て直しを進めるアントニオ・コスタ(Antonio Costa)政権の基盤強化につながる見通しだ。

 ポルトガルは2026年までに欧州連合(EU)の新型コロナ復興基金総額166億ユーロ(約2兆1300億円)を受け取ることになっており、安定政権の維持が不可欠となっていた。

 社会党は15年以来、二つの急進左派政党の協力を得て政権を運営していた。

 接戦が予想されたものの、最大野党の中道右派・社会民主党は71議席にとどまった。

 海外在住者に割り当てられている4議席の投票結果は数日以内に判明するが、19年の総選挙ではそのうち2議席を社会党が獲得していた。

 コスタ首相は「ポルトガルがさらに繁栄し、公平になり、技術革新が活発な国になるために必要な投資と改革を実行するための条件は整った」と述べた。

 欧州では近年、社会主義政党の勢いが後退し、極右政党が伸長する傾向が続いている。

 今回の総選挙では、極右政党シェガ(Chega)が議席を6から12に増やし、第3党に躍進した。

 シェガ党首でサッカー番組の元解説者、アンドレ・ベントゥラ(Andre Ventura)氏は支持者を前に、「もはや穏健野党ではない。われわれは真の野党としての役割を果たし、ポルトガルに尊厳を取り戻すつもりだ」と訴えた。(c)AFP/ Daniel SILVA