【1月21日 AFP】米国の外交官らが原因不明の体調不良に陥った、いわゆる「ハバナ症候群」について、米中央情報局(CIA)は、外国政府は関与していない公算が大きく、ほぼすべての症例は医学的もしくは環境面からの説明が可能との暫定調査結果を示した。当局者が20日、明らかにした。

 ハバナ症候群は、夜間に異音が聞こえた後、鼻血や頭痛、吐き気などの症状が表れる。2016年にキューバで初めて報告され、ロシアなどの敵対国が米政府高官を攻撃しているとの疑いが浮上した。

 原因不明の体調不良は、中国、ロシア、欧州、さらには米首都ワシントンにいる高官からも報告され、米政府による広範な調査が実施された。ロシアは未知の電子兵器や音響兵器を保有していると指摘する声も上がっていた。

 今回のCIAの暫定調査結果は、原因不明の体調不良のほぼすべての症例について、個人の既往症や見つかっていなかった疾患、あるいは環境的な要因によって説明できると結論付けている。

 当局者はAFPに対し、ハバナ症候群とされる症例は、米国の外交官や情報機関職員から約1000件が報告されたと語った。そのうち二十数件は原因不明のままで、CIAとしては、外国政府が関与した可能性を完全に排除しているわけではないという。(c)AFP/Paul HANDLEY